ラーンが巨大な石の扉をこじ開けた瞬間、埃っぽい空気が吹き荒れ、イシェは咳き込みながら顔をしかめた。
「またしても大したことはないじゃないか」
イシェの声にラーンは苦笑し、「そうだな、今回は見込み外れだったようだな」と肩をすくめた。だが、テルヘルは扉の奥にある薄暗い通路を見つめ、眉間に皺を寄せた。
「この遺跡は...何かが違う」
彼女の言葉にラーンの表情が曇った。「どうしたんだ?」
テルヘルは深呼吸し、静かに言った。「ここは...かつて『黙示』と呼ばれた場所に近い。あの時と同じようなエネルギーを感じるのを感じる。」
イシェは不安げに「黙示」とは何なのか尋ねたが、テルヘルは答えず、ただ薄暗い通路をじっと見つめていた。ラーンの心にも不吉な予感が広がっていく。彼らは、この遺跡が単なる埋蔵物ではなく、何かもっと大きな秘密を抱えていることに気づき始めたのだ。