風船

空気や気体を入れて膨らませた袋。

物語への影響例

希望と夢の象徴。脆さと自由の両義性。現実からの一時的離脱。子供時代への郷愁。

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ラーンの大きな息が、湿った洞窟内にこだました。イシェが眉間に皺を寄せて地図を広げている横で、彼は巨大な石扉に刻まれた紋章をじっと見つめていた。

「どうだ?何か分かったか?」

イシェの声に、ラーンは肩をすくめた。「分からん。こんなの見たことないぞ。まるで…風船みたいに浮き上がろうとしてるみたいだ」

イシェはため息をついた。「そんなわけないだろ。ラーン、また無駄なことを言ってるよ」

「いや、でもさ…この紋章、よく見ると真ん中が膨らんでて…」

ラーンの指が紋章の真ん中をなぞった瞬間、石壁から微かな音がした。イシェは一瞬にして警戒心を高める。すると、石扉の表面に細かいヒビが入っていくのが見えた。まるで、ゆっくりと膨らむ風船のように。

「まさか…」

イシェの言葉を遮るように、石扉全体がゆっくりと開き始めた。その奥には、広大な空間が広がっていた。そこには、黄金で輝く宝の山が積み上げられ、壁一面には宝石が埋め込まれていた。ラーンの目は輝き、イシェは息を呑んだ。

「大穴だ…!」

ラーンの声が洞窟内に響き渡った。その時、背後から冷たく低い声が聞こえた。

「いいものを見つけたようですね」

テルヘルが、影から姿を現した。彼女の顔には、かすかな笑みが浮かんでいた。