ラーンが剣を抜き放つ音が、埃っぽい遺跡の空気を切り裂いた。イシェは背後から「待て！ラーン！」と叫んだが、彼の言葉は広がる埃雲に呑み込まれていった。巨大な石像の足元で、ラーンは獣のような唸り声をあげる影と対峙していた。
「何だこれは…」イシェが駆け寄り、石像の陰から顔を出したラーンの顔を見て言葉を失った。彼の額には汗が流れ、息は荒く、しかし、目は興奮に満ちて輝いていた。「巨大なゴーレム…こんなものが遺跡に眠っていたとは！」
テルヘルは冷静に状況を分析していた。「このゴーレム、動きが鈍い。弱点を探し出して攻撃する必要がある」と彼女は言った。ラーンの興奮を冷まし、イシェに指示を出す。イシェは素早くゴーレムの動きを分析し、テルヘルの指示に従って弱点へ攻撃を開始した。
三人の息遣いが遺跡内にこだました。青空が覗く小さな穴から差し込む光が、戦いを照らしていた。ラーンの剣がゴーレムの硬い装甲に sparks を散らし、イシェの矢が弱点に命中するたびにゴーレムは大きく揺れた。テルヘルは冷静沈着に指示を出しながら、三人の動きを調整した。
激しい戦いの末、ついにゴーレムは倒れ込んだ。埃が立ち込め、三人は息を切らしていた。ラーンの顔には疲れが見えたが、彼の目は依然として輝いていた。「よし！これでまた一つ大穴に近づいた！」と彼は言った。イシェは苦笑しながら「大穴？まだ先だよ」と呟いた。テルヘルはゴーレムの残骸をじっと見つめていた。彼女の心には、ヴォルダンへの復讐という大きな目標があった。そして、その目標達成のために、この遺跡が持つ秘密が必要だったのだ。
三人は遺跡から戻り、ビレーの青空の下で休息を取った。夕焼けが空を赤く染める中、彼らは疲れた体を引きずりながら、次の遺跡へと向かう決意をした。