「よし、今回はあの洞窟だ！」
ラーンが目を輝かせ、荒れ果てた遺跡の地図を広げた。イシェは眉間にしわを寄せながら地図を覗き込んだ。
「また危険な場所かい？ ラーン、あの洞窟は以前にも collapse して人が死んだって聞いたぞ」
「大丈夫だ、イシェ。今回はテルヘルさんがいるんだから。それにあの洞窟には、古代の武器が眠っているって噂があるんだよ！」
ラーンの目は夢を追い求めるように輝いていた。イシェはため息をつきながら、背負う荷物の重さを確認した。テルヘルは、いつも通り冷静に地図を眺めていた。彼女の手は、まるで宝石を撫でるように丁寧に地図の端をなぞっていた。
遺跡の入り口は、まるで巨大な獣の口のように開いていた。湿った空気が立ち込めており、薄暗い洞窟の中に差し込む光は、まるで雫のように揺らめいていた。ラーンの足取りが軽快であるのに対し、イシェは慎重に一歩ずつ足を踏み入れていった。テルヘルは、後ろから二人を見つめるように歩みを進めた。
洞窟の中は、予想以上に暗く湿っていた。石壁には、まるで雫が跡を残したような模様が刻まれていた。ラーンの興奮を鎮めるようにイシェは彼を制止する。しかし、ラーンの好奇心は抑えようのないものだった。彼は、テルヘルの指示に従いながら、洞窟の奥へと進んでいった。
やがて、彼らは広間に出た。そこには、巨大な石碑が聳え立っていた。石碑には、複雑な模様が刻まれており、まるで雫が流れ落ちた跡のように見えるものもあった。ラーンは目を輝かせ、石碑に手を伸ばそうとしたその時、イシェが彼を制止した。
「待て、ラーン！何か変だ」
イシェの視線は、石碑の上部に注がれていた。そこには、かすかに赤い光が pulsing していたのだ。その瞬間、石碑から赤い光が放たれ、洞窟全体を赤く染めた。ラーンの悲鳴が洞窟中にこだました。