ラーンの大口が轟き渡った。「よし!今回は絶対に大穴だ!」 イシェはため息をついた。いつも通りのラーンの調子である。ビレーの遺跡探索チームとして、彼らは今日も高額な日当を餌にテルヘルに雇われていた。
「今回はあの崩落跡地だ。地図によると、奥には未踏 territory が広がっているらしい」とテルヘルは冷静に説明する。「だが注意が必要だ。雪解けで地盤が不安定になっている可能性がある。特にあの急斜面は危険だぞ」
ラーンは意気揚々と剣を構えた。「大丈夫だ!俺の腕があればどんな崖も登れる!」
イシェは、いつも通りのラーンの無計画さに眉間にしわを寄せた。「本当に大丈夫なの?あの急斜面、雪崩でも起こったら大変なことになるぞ」
しかし、ラーンの熱意には逆らえず、三人は遺跡へと向かった。
遺跡の入り口は崩落で塞がれており、狭く険しい道を通って奥へと進む必要があった。急斜面を登り始めると、確かに雪解け水が流れ出し、地面はぬかるんでいた。イシェは不安を感じながらも、ラーンの後ろをついていくしかなかった。
「ほら、見てくれ!古代の石碑だ!」ラーンの声が響いた。彼は興奮気味に石碑に手を伸ばそうとした瞬間、地響きがした。斜面から雪崩が巻き起こり、三人は岩と雪の嵐に飲み込まれた。