ラーンが石の破片を蹴飛ばして愚痴った。「またかよ、こんなとこに遺跡なんてねえわ。」イシェは彼を睨みつける。「そうやって騒いでも仕方がないでしょう。テルヘルさんの言う通り、ここには何かあるはずです。」
テルヘルは地図を広げながら言った。「この壁面には奇妙な模様が刻まれている。おそらく何らかの仕掛けだ。」彼女は壁を指差した。「あの小さな石の突起を押してみなさい。」ラーンが懐疑的に石に触れると、壁の一部がゆっくりと沈み込んだ。
「うわっ！」ラーンの叫び声と共に、壁の裏側に隠された通路が現れた。イシェは目を輝かせた。「まさか…隠し扉だ！」テルヘルは満足げに頷いた。「この遺跡には何があるのか、いよいよ見えてきましたね。」
暗い通路を進む三人。ラーンの足音だけが響く静寂の中、イシェが突然立ち止まった。「待ってください。」彼女は壁の隙間から何かを見つけ出した。「これは…！」彼女の声が震える。「古代ヴォルダン文字だ。ここにヴォルダンの秘密が記されているのかも…」
興奮を抑えられないテルヘルは、イシェから文字盤を奪い取った。「早く、意味を解き明かしてくれ！」彼女は焦るように言った。「この遺跡の真実は、私の復讐に繋がる鍵となるはずだ！」