ラーンの豪快な笑い声がビレーの街角に響き渡った。イシェは眉をひそめながら、彼の背中に小さくため息をついた。
「また大穴の話かよ。そんな簡単に見つかるわけないだろ」
「見つけられるはずだ!いつか必ず!」
ラーンは陽気に答える。彼の目は太陽の光で輝き、まるでその熱気をそのまま体から発しているようだった。イシェはそんな彼を、どこか pitiable な存在だと感じていた。
だが、今日も彼と一緒に遺跡に潜る。なぜなら、テルヘルからの依頼を引き受けているからだ。高額な報酬と引き換えに、彼女は彼らの力を必要としている。
「準備はいいか?」
テルヘルの鋭い視線を感じながら、イシェは頷いた。遺跡の入り口は、まるで陽だまりのように明るい場所だった。しかし、その奥には深い闇が待ち受けていることを、イシェは知っていた。
ラーンの剣が、光を反射してきらめいた。彼はいつも以上に張り切っているようだった。イシェは彼の背中に手を置き、小さく頷いた。
「行こう」
三人は遺跡へと足を踏み入れた。陽だまりのように明るい入り口とは裏腹に、中は冷たく湿っていた。しかし、ラーンの後ろ姿は、まるで太陽のように輝いていた。