ラーンの大斧が遺跡の奥底にある石棺を粉砕した。埃が巻き上がり、Cough Cough、イシェが咳き込みながら「また無駄な労力だ」と呟いた。だが、ラーンは目を輝かせて石棺の中を覗き込んだ。「何もないぞ！」彼の声は落胆していた。「やっぱり大穴じゃないか！」
イシェはため息をつきながら、ラーンの背後に回って石棺の残骸を調べ始めた。すると、彼女の指先に冷たい金属が触れた。それは小さな金貨だった。「見つけた！ただの銅貨だけどな」イシェは不機嫌そうに言った。ラーンは肩を落として「ああ、そうか」と呟いたが、彼の目はまだ輝いていた。
その時、テルヘルが声を張り上げた。「待て！」彼女の鋭い視線は石棺の奥底に向けられていた。「何かあるぞ」彼女はゆっくりと近づき、石棺の残骸を慎重にどかした。そこには、金貨と同じ大きさの黒曜石の小さな板があった。
「これは…」テルヘルは眉をひそめた。「古代ヴォルダンの紋章だ」。彼女は黒曜石の板を手に取り、その表面にある複雑な模様をじっと見つめた。「これは…闘争の証かもしれない」彼女の瞳に激しい光が宿った。
ラーンとイシェは互いに顔を見合わせた。テルヘルの言葉から、この遺跡が単なる財宝を求める場所ではないことを悟った。それは、ヴォルダンとの戦いの歴史を物語る場所だったのだ。そして、その闘争は今なお続いていた。