「よし、ここだ!」ラーンの声が響き渡る。イシェはため息をつきながら、彼の後を追った。薄暗い洞窟の奥に、巨大な石碑が立っていた。
「ついに大穴が見つかったのか?」イシェがそう言うと、ラーンはニヤリと笑って剣を構えた。「さあ、イシェ!宝を探し出そうぜ!」
テルヘルが背後から近づき、石碑に刻まれた文字を指さした。「この遺跡には罠が仕掛けられている可能性が高い。慎重に進もう。」
「そんなこと言わずに、早く宝を開けろよ!」ラーンのせっかちな性格は相変わらずだった。イシェはテルヘルの警告を無視し、石碑の側面を叩き始めた。すると、石碑全体が轟音と共に振動し、壁から पुरातनな扉が出現した。
「やった!大穴だ!」ラーンは大喜びで扉を開けようとしたその時、テルヘルが彼を制止した。「待て、ラーン。この扉には呪文がかけられている可能性がある。無理に開けては危険だ。」
イシェも同意するように頷いた。「テルヘルが言う通りだ。慎重に進めるべきだ。」
ラーンの興奮は冷めやらぬまま、扉を開けるための方法を探し始めた。その時、イシェは石碑の陰で何かを発見した。それは小さな金色の箱だった。
「これを開けてみよう。」イシェが言った。
箱には複雑な鍵がかかっていた。テルヘルは持ち合わせていた工具を使って鍵をこじ開けようとしたが、なかなかうまくいかない。その時、ラーンが何かに気づいたように叫んだ。「イシェ!あの記号、どこかで見たことある!」
イシェが箱に刻まれた記号をよく見ると、確かにどこかで見たような気がした。それは、以前彼らが探索した遺跡で見つけた、闇の商人との取引記録にあった記号だった。
「もしかしたら、この箱には闇取引で手に入れたものが入っているのかも…」イシェはそう呟いた。