「よし、今日はあの洞窟だな!」ラーンが、興奮気味に地図を広げた。イシェは眉間にしわを寄せながら、地図のポイントを確認した。「またしても危険な場所かい? ラーン、少しは計画性を持ちなさいよ。」
「大丈夫だ、イシェ!俺たちにはテルヘルがいるじゃないか!」ラーンはそう言うと、テルヘルの方へ視線を向けた。彼女は冷静に剣を研ぎ澄ましていた。「準備はいいですか?」と尋ねると、テルヘルは鋭い目で頷き、口を開いた。「今日の目標は、その洞窟奥深くにあるとされる古代の機械だ。情報によると、それは強力なエネルギー源を持っているという。」
ビレーの小さな酒場で、彼らは地図を広げ、冒険の計画を練っていた。ラーンの無茶な提案にイシェが眉間に皺を寄せ、テルヘルが冷静に状況を分析する。3人は、それぞれ異なる過去と目標を抱えていたが、遺跡探しの共同作業を通して奇妙な絆で結ばれていた。
洞窟への入り口は狭く、湿った空気の中に不気味な静寂が広がっていた。「ここは本当に安全なのか?」イシェが不安そうに呟くと、ラーンは「大丈夫だ!俺たちが守るからな!」と豪快に笑って答えた。しかし、イシェの不安は的中する。洞窟奥深くで待ち受けていたのは、錆び付いた関節を持つ巨大な機械だった。
その機械は、まるで巨大な虫のように、無数の関節を繋ぎ合わせて構成されていた。動き出すと、床が震え、空気が熱せられるほどのエネルギーを放つ。ラーンは剣を構え、イシェは機転を利かせた動きで機械の攻撃をかわす。テルヘルは冷静に状況を見極め、機械の弱点を探る。
激しい戦いの末、彼らは機械を撃退する。しかし、その代償として、ラーンの腕は深く切り裂かれ、イシェは足に深い傷を負った。テルヘルも顔に傷跡が残った。「やれやれ、今回はギリギリだったな…」ラーンが息を切らしながら言った。イシェは苦痛を押さえながら、「次はもう少し慎重に進もうよ…」と呟いた。
テルヘルは疲れた表情で、機械の残骸を見つめた。「この機械…ヴォルダンに渡せば、莫大な利益になるだろう…」彼女はつぶやいた。その言葉にラーンとイシェは驚きを隠せなかった。テルヘルの目的は遺跡の発見だけではないのか?
彼らの冒険は、まだ始まったばかりだった。