ラーンの大斧が、遺跡の奥深くへと響き渡る轟音と共に石壁を粉砕した。埃が立ち込め、視界を一瞬遮った。イシェは咳払いをして、「また無駄な力使いすぎだよ。あの程度なら、少し慎重に崩せばよかったのに」と眉間に皺を寄せた。
「いや、この場所には何かあるって感じるんだ！」ラーンは目を輝かせながら、崩れた壁の隙間をのぞき込んだ。「ほら、見てろよ、イシェ！きっと大発見があるぞ！」
イシェはため息をついたが、ラーンの興奮に少しだけ引っ張られてしまう。テルヘルは冷静な表情で、石畳に刻まれた複雑な模様を指差した。「この遺跡の構造は独特だ。ヴォルダンの文献にも似たものを見たことがある。もしかしたら…」
彼女の言葉を遮るように、突然の閃光が遺跡を襲った。 blindingly bright light. イシェは目をぎゅっと閉じ、ラーンは思わず斧を前に構えた。閃光の後は、不自然な静寂が訪れた。
「あれは何だったんだ？」イシェの声は震えていた。
テルヘルは眉間に皺を寄せ、「ヴォルダンが関わっている可能性が高い。あの光…何かを活性化させたような気がする」と呟いた。
ラーンの視線が、崩れた壁の隙間から差し込む光に注がれた。「大発見だ！イシェ、準備してくれ！」彼は興奮気味に叫び、斧を手に遺跡の奥へと駆け込んだ。