ラーンが巨大な石門の前で立ち尽くしていると、イシェが背後からため息をついた。「またか? そんな大げさな反応は必要ないだろう」。イシェの言葉にラーンは苦笑した。「いや、だってさ、こんな遺跡、遥か昔の人々が一体何のために作ったんだろう? 何を隠してるんだろう? 想像するだけでワクワクしないわけがないんだ!」
ラーンの瞳は興奮で輝いていた。イシェは彼の様子を横目で眺めながら、「そんなことより、早く中に入って遺物を探そうよ」と冷静に言った。テルヘルは、二人が言い争うのを少し離れた場所で静かに待っていた。彼女は彼らのやり取りを聞いていたが、その表情は暗かった。
「あの石門の奥には何かがあるはずだ」テルヘルは呟いた。遥か昔、ヴォルダンの人々がこの遺跡を破壊しようとした時、彼女は逃げる際にこの石門に隠された空間の存在を感じたのだ。そして、その空間にはヴォルダンへの復讐に必要なものがあると確信していた。
ラーンの大 hammerで石門が轟音と共に開かれた。埃っぽい空気が彼らを包み込んだ。イシェは鼻を鳴らしながら、「また古い空気だな」と呟いた。 ラーンは意気揚々と遺跡の中へと踏み入れた。テルヘルも静かに彼らに続くようにした。遺跡の奥深くには、まだ見ぬ秘密が眠っていた。 そして、遥か昔に失われた真実が、今、蘇ろうとしていた。