ラーンが巨大な石の扉に剣を突き刺し、力を込めて押し込んだ。石の埃が舞う中、扉はゆっくりと開いていく。イシェは懐中電灯を照らしながら慎重に内部の様子を確かめた。「広くて深い…」。
「よし、探検だ!」ラーンは興奮気味に言った。だが、イシェは不安げな表情で彼を見つめた。「ここは何か変だ…。いつもと違う空気が感じられる…」
テルヘルは冷静に周囲を観察していた。「この遺跡は、以前とは異なるエネルギーを感じさせる。何かが進化しているのかもしれない…」。彼女はラーンの背中に手を当て、警告を発した。「注意しろ。ここには危険が潜んでいる」。
扉の奥深くでは、壁に幾つもの光る模様が刻まれていた。イシェが近づくと、模様が脈動し始めた。すると突然、床から鋭い棘が生え上がり、ラーンを襲った。彼は慌てて剣で防御したが、棘は頑丈でなかなか切れなかった。「くそっ!」
イシェは素早く駆け寄り、小さな水晶の石を投げつけた。石が棘に触れると、激しい光を放ち、棘を溶かし始めた。「イシェ、お前…!」ラーンは驚愕した。イシェは小さく頷いた。「以前、遺跡で手に入れた水晶だ。進化したエネルギーを吸収し、新たな力を発揮するらしい」。
テルヘルは冷静に状況を分析していた。「この遺跡は、進化を促す力を持っているようだ。そして、その力は制御不能になっている可能性がある…。我々は慎重に進まなければならない」。
ラーンの顔には、冒険心と恐怖が入り混じった表情があった。イシェは彼の手を握りしめ、「大丈夫よ。私たちは一緒に乗り越えられる」と励ました。テルヘルは静かに剣を抜いた。「進化するこの遺跡の謎に、我々は今挑むのだ」。