通り道

人や物が通る経路。

物語への影響例

人生の経路と選択。運命の交差点。過去と未来をつなぐ現在。

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「おい、イシェ、この地図、本当によかったのか? 」ラーンが眉間に皺を寄せながら、広げた羊皮紙をイシェに見せた。イシェは細長い指で地図をなぞりながら、首を傾げた。「確かだったはずだけど…。あの岩壁の近くを通る道があったはずなのに…」

「あの道、危険じゃなかったっけ?」ラーンの言葉に、イシェも不安げな表情になった。彼らはテルヘルから依頼され、ビレーから南へ続く山道を進んでいた。目的は、ヴォルダンとの国境付近にあると噂される遺跡だ。だが、その道筋には、かつて崩落事故で封鎖された危険な通り道があった。

「あの道を通れば、確かに距離は短いが…」イシェが言葉を濁すと、ラーンは不機嫌そうに言った。「だったら、安全な道を通るしかないだろう! 時間がかかるのはしょうがない」テルヘルは時間を厳守するタイプではないとはいえ、今回は何かと慌ただしい様子だった。

「あの通り道なら、遺跡にたどり着くのが早くなる」テルヘルの声が、背後から響いた。彼女はいつの間にか二人に追いつき、地図を奪い取ると、力強く指で示した。「この道を通らなければ、目標に辿り着く前に、ヴォルダンの兵士たちに捕まってしまうかもしれない。時間がない」

ラーンの顔色が変わった。「ヴォルダンか…。まさか…」イシェはラーンの表情を見て、言葉を呑んだ。テルヘルがヴォルダンを憎む理由を知っているのは彼らだけだ。

「よし、行こう!」ラーンが力強く言った。イシェはためらいながらも、二人の後をついていった。崩落した道は、まるで巨大な獣の口を開けたようだった。危険と隣り合わせの道のりだが、彼らは進むしかない。彼らの前に広がるのは、希望と絶望が入り混じる、未知の世界だった。