ラーンの大 hineinを振り下ろす音と、イシェの鋭い息遣いがビレーの遺跡の薄暗い通路にこだました。テルヘルは背後から二人を見つめていた。彼女の視線は冷たく、まるで石像のようだった。
「ここだ」
ラーンが壁のひび割れを指さした。彼の顔には興奮の色が浮かんでいた。イシェは眉間に皺を寄せた。「あの話、本当かな?こんな場所に宝が眠ってるなんて…」
「嘘っぱちだとは思わないぞ。この遺跡の地図、テルヘルが持ってきたんだろ?」ラーンは言いつつ、壁のひび割れに手を伸ばした。イシェはため息をついた。「あの人、一体何のためにこんな危険な場所へ連れてくるんだろう…」
テルヘルは静かに言った。「宝を手に入れるためだ」彼女の目は光っていた。「そして、ヴォルダンに復讐するためだ」
ラーンの動きが止まった。イシェも彼を見つめた。三人はしばらく沈黙した。遺跡の奥深くからかすかな音が聞こえてきた。まるで何かが囁いているようだった。
「よし、行くぞ!」
ラーンは再び壁を叩いた。軽やかな足取りで遺跡の奥へと消えていった。イシェはため息をつきながら後を追った。テルヘルは二人の背中に冷たい視線を向け、ゆっくりと歩を進めた。彼女の心には復讐の炎が燃え盛っていた。
遺跡の奥深く、薄暗い空間の中。ラーンは宝箱を発見した。彼の顔に満面の笑みが広がった。「やったぞ!」
イシェは宝箱を慎重に開けた。中に入っていたのは、小さな水晶の球だった。不思議な光が球から発せられていた。イシェは目を丸くした。「これは…」
その時、背後から冷たい声が響いた。「終わりだ」
ラーンとイシェは振り返ると、テルヘルが剣を構えて立っていた。彼女の瞳は燃えるような炎で輝いていた。
「お前たちは、ただの道具だったんだ」テルヘルは言った。水晶の球を手に取り、ゆっくりと口を開いた。「これで、ヴォルダンへの復讐が始まる…」