「よし、入ろう!」ラーンがそう言うと、イシェはため息をついた。「いつも通り、計画もなしに飛び込むとは…」と呟くと、テルヘルに視線を向け、「今回はどうするんですか?」と尋ねた。
テルヘルは地図を広げ、遺跡の構造を指さしながら「この遺跡には3つの層がある。最下層には目標物があると推測される。だが、罠も多く仕掛けられている可能性が高い」と説明した。「そのため、まずは二層目の部屋で様子を探り、安全なルートを確認してから最下層を目指すことにする」
ラーンの顔は曇った。「そんな慎重なやり方、つまんないよ!すぐに大穴を見つけて宝を手に入れたいんだ!」
「落ち着きなさい、ラーン」イシェがラーンを抑えながらテルヘルに頷いた。「計画通りに進めましょう」
二層目の部屋にたどり着くと、そこには巨大な石像が立っていた。石像の足元には、まるで階段のように石畳が敷かれていた。
「これは…?」イシェは眉をひそめた。
「踏み石だ」テルヘルはそう言い、石畳の上を慎重に歩み始めた。「この石像は、最下層への入口を守る番人だったのだろう。この石畳は、その番人を乗り越えるための道だ」
ラーンがテルヘルの後ろをついていくと、石畳は突然途切れて、深い chasmへ繋がっていた。ラーンの顔色が変わった。「おい、何だこれは!?!」
「罠だ」イシェは冷静に状況を判断した。「この石畳は、踏み間違えると奈落に落ちてしまうようになっているのだ」
ラーンが慌てて後ずさりすると、石畳の上でバランスを崩し始めた。その時、テルヘルが素早くラーンの腕をつかみ、引き戻した。
「危ない!」テルヘルが声を張り上げた。「この石畳は、踏み石としてだけでなく、試練でもあるのだ」
ラーンは冷や汗をかきながら、テルヘルの言葉に頷いた。そして、慎重に石畳を進むことを決意した。彼らは、踏み石を一つずつ丁寧に踏んでいくことで、最下層への道へと進んでいった。