賊将

敵対する軍の将軍。謀反人の将。

物語への影響例

正統性の欠如と実力の共存。視点の相対性。英雄と悪役の表裏一体性。

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ビレーの夕暮れ時、ラーンとイシェが酒場で一杯傾けていた。テーブルの上には、テルヘルからもらったばかりの地図が広げられている。それは、ヴォルダンとの国境付近に存在する、未踏の遺跡を示すものだった。

「こんな場所があるなんて知らなかったな」

ラーンは地図を指さしながら言った。イシェは眉間にしわを寄せながら地図を睨んでいた。

「危険な場所だと聞いたことがあるぞ。ヴォルダンからの亡命者たちが隠れ住んでたという噂もある」

「そんなことより、大穴があるかもしれないんだ!」

ラーンの言葉に、イシェはため息をついた。ラーンはいつも通り、財宝のことしか考えていないようだった。

「あの地図、テルヘルは何のために手に入れたんだろうな」

イシェの問いかけに、ラーンは肩をすくめた。テルヘルはいつも謎めいている。自分の目的を明かさない。

「まあいいんだよ。大穴が見つかるなら、テルヘルの目的なんてどうでもいいだろ」

そう言ってラーンは酒をぐいと飲み干した。イシェはラーンの軽率さに呆れながらも、内心では少しワクワクしていた。未踏の遺跡、そしてそこにあるかもしれない大穴。冒険心と好奇心を抑えきれない自分がいた。

翌日、三人はビレーを出発した。地図に従って険しい山道を進み、やがて廃墟のような村にたどり着いた。かつては人々が住んでいたと思われる家々は朽ち果て、風に草木がなびいていた。静寂に包まれた村は不気味な雰囲気を漂わせていた。

「ここが遺跡の入り口か?」

イシェは地図を確かめながら言った。ラーンは剣を手にし、周囲を見回した。

「気をつけろよ、イシェ。何かいるかもしれない」

すると、突然背後から声が聞こえた。

「待て!」

振り返ると、そこには武装した男たちが立っていた。彼らの表情は険しく、手には鋭い剣が握られていた。

「ここはもう俺たちの縄張だ。立ち去れ!」


ラーンは剣を抜き、イシェの前で構えた。

「逃げるわけにはいかないぞ!」

男たちの一人が前に出てきて、ラーンの視線をじっと見つめた。

「お前たちは誰だ?なぜここにいる?」

男の言葉に、ラーンは答える代わりに、テルヘルの言葉を思い出した。

「ヴォルダンに恨みを持つ者たちが集まっている」

そう言っていた。もしかしたら、この男たちもその一人なのかもしれない。そして、彼らもまた、遺跡を手に入れようとしているのかもしれない。

ラーンの心には、不穏な予感が広がっていった。