「よし、今日はあの洞窟だ!」
ラーンが目を輝かせると、イシェはため息をついた。
「またあの危険な場所? ラーン、あの洞窟には魔物が巣くっているって噂じゃ…」
「そんなの気にすんな!俺たちにはテルヘルがいるんだぞ」
ラーンの言葉に、イシェはテルヘルの方を見た。テルヘルは冷静な表情で地図を広げている。
「情報によると、洞窟の奥深くには古代文明の遺物があると噂されている。危険だが、成功すれば莫大な価値があるだろう」
テルヘルの言葉に、ラーンの目はさらに輝きを増した。イシェも、経済的な安定を考えると諦めるわけにはいかない。こうして三人は、危険な遺跡へと足を踏み入れた。
洞窟内は暗く湿り、不気味な音が響いていた。ラーンは剣を構え、イシェは周囲に注意を払いながら進んでいった。テルヘルは地図を頼りに道を開拓していく。
「待て!」
イシェが突然叫んだ。目の前には巨大な穴が開いており、その奥からは不気味な光が漏れている。
「これは…魔物の巣窟だ」
イシェの声にラーンも緊張した様子を見せた。
その時、洞窟の奥から甲高い笑い声が聞こえてきた。
「ようこそ、愚かな侵入者たち。私の住処へようこそ!」
影の中から、 grotesquely deformed creature が姿を現した。
「逃げろ!」
ラーンの叫びと共に、三人は立ち向かった。激しい戦いが始まった。ラーンは剣を振り回し、イシェは素早い動きで敵をかわし攻撃する。テルヘルは冷静に魔法を放ち、敵を弱体化させる。
しかし、魔物の力は強く、三人は次第に追い詰められていく。
「このままでは負けてしまう…」
イシェが絶望的な表情を見せたその時、テルヘルが何かをささやいた。
「ラーン、あの石柱を壊せ!」
ラーンの目の前に、奇妙な模様が刻まれた石柱があった。ラーンは迷わず石柱を攻撃し、粉々に砕いた。すると、石柱から光が放たれ、魔物を包み込んだ。
魔物は悲鳴を上げながら消滅した。三人は息を切らしながら、互いに顔を見合わせた。
「どうしたんだ? 何かあったのか?」
ラーンの問いかけに、テルヘルは薄暗い笑顔を見せた。
「少しばかり準備をしてきただけよ」
テルヘルの言葉の意味は分からなかったが、三人は洞窟から脱出した。
その後、三人は遺跡から貴重な遺物を持ち帰り、高額な報酬を得た。しかし、イシェはどこか不安を感じていた。テルヘルは一体何を企んでいるのか? そして、あの石柱に刻まれた模様は何だったのか? イシェは、真実を知りたいという気持ちと、何か恐ろしいものに触れてしまったような予感が入り混じった複雑な感情を抱いていたのでした。
夜になり、イシェは眠れずにテルヘルの部屋を訪れた。「あの石柱の模様…何だったのですか?」
「ああ、あれは…」
テルヘルは少しだけ考え込む様子を見せた後、ゆっくりと口を開いた。「それはヴォルダンに囚われている人々を救うための鍵になるかもしれない」
イシェは言葉を失った。テルヘルの目的は復讐だけではなかったのか? そして、その鍵となる石柱の模様…それは一体どこから入手したのか? イシェは、テルヘルの行動の裏側にある真実を知りたくなってもっと深く、恐ろしい何かを垣間見たような気がした。