「よし、今回はあの西の遺跡だ。地図によると、奥深くにある部屋には未確認の遺物があるらしいぞ」ラーンが目を輝かせながら言った。イシェは眉間に皺を寄せた。「またそんな危険な場所? ラーン、あの遺跡はヴォルダン軍が警備を強化しているって聞いたぞ。見つかったら終わりだ」
「大丈夫だ、イシェ!俺たちが隠れる術を知ってるだろ?」ラーンは自信たっぷりに笑った。イシェはため息をつきながら、「でも、テルヘルは何と言うんだろう…」と呟いた。
テルヘルは冷静に地図を眺めていた。「警備が強化されているなら、迂回する必要がある。西から回り込むルートを探し出せ」と指示した。ラーンの計画性のなさに辟易していたイシェだったが、テルヘルの指示には従うしかなかった。彼らは数日かけて、ヴォルダン軍の警備を巧みにかわしながら遺跡へと近づいていった。
遺跡の入り口は頑丈な石壁で塞がれていた。「どうするんだ?」ラーンの顔色が曇った。「あの扉を開けるには、特殊な装置が必要だ。遺跡の奥に眠っているはずだ」イシェは地図を広げながら言った。テルヘルは「警備を突破するには、あの扉を開けるしかない。俺たちは協力して、装置を見つけ出さなければならない」と力を込めた。
彼らは遺跡の内部へと潜入し、ヴォルダン軍が設置した罠を巧みに回避しながら進んだ。警備は厳重で、至る所に監視員が配置されていた。イシェは緊張のあまり、冷や汗を流していた。だが、ラーンの勇気とテルヘルの冷静な判断により、彼らは無事に装置を発見することができた。
装置を起動させると、石壁がゆっくりと開いていく。その先に広がるのは、かつて栄華を極めた古代文明の遺跡だった。そこに眠る貴重な遺物に、ラーンは興奮した様子を見せた。「ついに大穴が見つかったぞ!」
しかし、その時、背後から低い声が響いた。「なかなかいい場所を見つけたな」振り返ると、そこにはヴォルダンの軍服をまとった男が立っていた。彼は冷酷な笑みを浮かべながら言った。「ここに来たのはお前たちだけではないようだ」