「おい、イシェ、あの石碑、どうだ?」ラーンが興奮気味に指差す。イシェは眉間にしわを寄せ、石碑の複雑な文様をじっと見つめていた。「よく分からない。何か呪文のようなものだけど…。」
「呪文か?それなら面白いぞ!もしかしたら財宝の隠し場所を示しているのかも!」ラーンの目は輝き、興奮を抑えられずに石碑に手を伸ばそうとする。イシェは慌ててラーンを制止した。「待てよ、ラーン!むやみに触れるのは危険だ。何らかの罠が仕掛けられている可能性もある」
「罠?そんな…」ラーンの言葉はテルヘルによって遮られた。「イシェは正しい。無闇に手を出す前に調査が必要だ。」テルヘルは冷静に石碑を吟味し始めた。「この文様…どこかで見たことがあるような…」彼女は目を細め、過去の知識をたどるように muttering を繰り返した。
ラーンは impatiently 待てない様子で、イシェの肩を叩きながら「ほら、イシェ、何か分かるかい?」とせかしていた。イシェはため息をつきながらも、テルヘルに視線を向け、「何か分かったのかい?」と尋ねた。
テルヘルは深く頷き、「この石碑には古代言語で書かれた警告が刻まれている。ここに触れる者は、強力な呪いを受けるだろうと…」彼女は言葉を続けようとしたが、ラーンの不機嫌な顔色に気づき、少しだけ言い方を変えた。「しかし、その呪いは解除できる可能性もある。必要なのは正しい手順を踏むことだ。」
ラーンの表情は一変し、「正しい手順?つまり、財宝を手に入れるには何か特別な方法が必要ってことか?」と興奮気味に尋ねた。テルヘルは小さく頷き、「そうなるだろう」と答えた。
イシェは少し不安そうに「でも、その手順が分からないと…」と呟いた。ラーンがイシェの言葉を遮った。「大丈夫だ、イシェ。テルヘルならきっと方法を見つけ出すさ!あの石碑にはきっと大穴への鍵が隠されているはずだ!」ラーンの言葉に、イシェはわずかに頷きながら、テルヘルの鋭い視線を感じ取った。
テルヘルは静かに微笑み、「では、この遺跡から必要な情報を集めよう。そして、その鍵を手に入れるために…」彼女は言葉を濁しながら、ラーンとイシェを見据えた。二人は彼女の言葉の真意を理解するとは限らなかったが、どこかで確信を抱いていた。
テルヘルは説得力のある言葉と共に、彼らを自分の計画へと引き込んでいく。