ビレーの太陽は容赦なく照りつける。ラーンは額に汗を拭いながら、錆び付いた pickaxe を振り下ろした。岩盤が砕け散り、埃が舞い上がる。
「まだか?」イシェは不機嫌そうに言った。「この暑さで体力を消耗するだけだ」
「もう少しだ、きっともうすぐだ!」ラーンはそう言ってはいるものの、自信はない。今日も遺跡探索は徒労に終わるかもしれない。
その時、イシェが何かを掴んだ。石の下から小さな箱が出てきた。
「これは…?」イシェは慎重に埃を払うと、蓋を開けようとした。
その時、激しい咳き込みが響いた。ラーンの足元からテルヘルが苦しそうに起き上がった。
「何があった?」ラーンが駆け寄ると、テルヘルは白濁した顔で言った。「毒…遺跡の空気が…」
イシェは慌ててテルヘルの肩を叩く。「大丈夫か?解熱剤はあるのか?」
テルヘルは首を振る。「持ち合わせてない…ここは急いで脱出だ!」
ラーンは箱を拾い上げ、テルヘルを支えながら外へ駆け出す。灼熱の太陽の下、三人は必死にビレーへと戻った。
イシェがテルヘルに解熱剤を飲ませると、彼女はようやく意識を取り戻した。「あの遺跡…危険だ…」と faiblesse に声が震える。
ラーンは箱をテーブルの上に置いた。「何が入ってるんだ?」
イシェはゆっくりと蓋を開けた。そこには、鮮やかな青色の結晶が光っていた。
「これは…」テルヘルの目を見開く。「伝説の石…アズライト…」
アズライトは強力な治癒力を持つと伝えられる伝説の石。だが、同時に強い毒性も持つと言われている。
ラーンはイシェと顔を見合わせた。「解熱剤…」
三人は互いに言葉なく理解し合った。アズライトの力を利用してテルヘルを救うには、リスクを冒すしかない。