「おい、イシェ、見てみろよ!」ラーンが興奮気味に声をかけてきた。彼の指さす方向には、遺跡の奥深く、崩れかけた壁に隠されたように、不思議な模様が刻まれた石棺が置かれていた。
「また大穴か?」イシェは呆れたように言ったが、それでも石棺に近づいていく。「何だ、これは?」
石棺の上には複雑な鍵のかかった錠前が取り付けられており、ラーンとイシェの知識では解くことができないようだった。
「よし、テルヘルに相談だ!」ラーンはそう言いながら、入口へと戻っていった。
テルヘルは遺跡の入り口付近で、地図を広げて何かを考えていた。「何だ、見つけたのか?」とテルヘルは問いかける。ラーンの話に耳を傾けると、彼女は眉間にしわを寄せた。「この錠前、見たことあるような気がする…」
テルヘルは過去にヴォルダンで見た資料の中に似たような錠前の図面があったことを思い出した。それは、かつてヴォルダンとエンノル連合の間に存在した「親交」の証として作られた特殊な錠前だったという。
「この遺跡は、かつてヴォルダンとの友好関係を示すものだったのかもしれない」テルヘルは呟いた。「もしそうだとすれば、この石棺には何か重要なものが隠されている可能性が高い」
テルヘルは三人に協力し、複雑な鍵を解き明かすために必要な情報を探すよう指示を出した。イシェは過去の記録を調査し、ラーンは遺跡内の他の場所に同様の錠前がないか探すことになった。
三人はそれぞれの役割を果たしながら、遺跡の謎を解き明かすべく奮闘する。そして、彼らの前に広がるのは、かつての「親交」が秘めた真実だった…。