ラーンが巨大な石扉を力ずくでこじ開けると、埃っぽい空気が充満した部屋に広がった。イシェは咳き込みながら懐中電灯の光を向けると、壁一面に複雑な模様が刻まれていた。「また術式か…」イシェは呟いた。ラーンは特に気にせず、宝箱を探し始めた。「おや、これは！」テルヘルが指差す先に、奇妙な形をした金属製の球体が置かれていた。「これ、何か効き目あるのかな？」ラーンの言葉にテルヘルは静かに頷いた。「この術式を解けば、その球体の中の力は解放される。強力な武器になるかもしれない」イシェは不安げに言った。「でも、どんな力が宿っているか分からないじゃないか？危険すぎるんじゃないのか？」「大丈夫だ」テルヘルは冷たい視線をイシェに向け、「この遺跡には、ヴォルダンに復讐する力があるはずだ。私はそれを手に入れるためにここに来た」と断言した。ラーンの好奇心は、テルヘルの言葉でさらに掻き立てられた。「よし、やってみようぜ！大穴になるかも！」彼は興奮気味に球体に向かって手を伸ばした。イシェはため息をつきながら、二人が危険な道に進もうとするのを静かに見守った。