ビレーの薄暗い酒場「荒くれ者」が、ラーンの豪快な笑い声で満たされた。イシェは眉間にしわを寄せながら、彼の話を聞いていた。
「あの遺跡でまた宝箱を見つけたんだって?今回は金貨が入ってたらしいぞ!」
「嘘つけないだろう?ラーン、そんな話、もう何度も聞いたよ」
イシェの言葉にラーンの顔は曇った。「今回は本当だ!ほら、見てみろ!」
彼はテーブルの上に、錆び付いた小さな銀貨を置いた。イシェはため息をつきながら、銀貨を手に取ると、表面の汚れを拭い落とした。
「これはただの偽物じゃないか…」
ラーンの肩がガクッと落ちた。「嘘だ!あれは確かに宝箱に入ってたんだ!」
その時、店のドアが開き、テルヘルが入ってきた。彼女は黒革の装束を身にまとい、鋭い視線で周りを Surveying していた。ラーンとイシェの姿を見つけると、テーブルに近寄った。
「何か騒ぎでも?」
ラーンの顔は一瞬だけ赤くなった。「いや、特に…銀貨を見つけたんだ」
テルヘルは銀貨を手に取り、熟練の目で観察した。「偽物だな。粗悪な真鍮だ。この街でよく見かけるものだ。行政が流通を管理しているはずなのに…」
ラーンの顔色がさらに白くなった。「あの遺跡には本当に宝物が眠っているはずなんだ!」
テルヘルは冷えた視線で彼を見下ろした。「宝物を探すなら、もっと深く掘る必要があるだろう。そして、そのために必要なのは、単なる力ではなく、知恵と計画だ」