日差しが容赦なく照りつける砂漠の遺跡。ラーンは汗だくになりながらも、巨大な石碑を睨みつけていた。
「よし、ここだな!」
彼は力任せに石碑を押すと、轟音が響き渡った。埃が巻き上がり、その先に広がる階段状の通路が現れた。イシェは眉間に皺を寄せながら、「本当にここなのか? ラーン、またお前の勘違いじゃないだろうな?」と疑いの目を向けた。
「違うよ、今回は確信があるんだ!」ラーンは自信たっぷりにそう言い切り、階段を駆け降り始めた。イシェはため息をつきながら、テルヘルに視線を送った。テルヘルは冷静に状況を見極めているようだった。
「よし、行こう。慎重に進もう。」
イシェは剣を手に取り、ラーンの後を追うように階段を降りていった。通路は狭く、湿った空気で充満していた。壁には古びた絵が描かれており、何らかの物語を語りかけているようだった。
深く暗い通路の先に広がるのは、広大な地下空間だった。天井には水晶の輝石が埋め込まれ、幻想的な光を放っていた。中央には巨大な祭壇があり、その上には金色の箱が置かれているのが見えた。ラーンの目は輝き、イシェも思わず息をのんだ。
「ここに…大穴があるのか…」
ラーンは興奮気味に祭壇へと近づこうとしたその時、床から鋭い光が放たれ、彼らを包み込んだ。激しい痛みを感じ、意識が遠のいていくのを感じた時、ラーンの耳元に声が響いた。
「お前たちの力は、まだ試されているのだ…」
目が覚めると、そこは以前と同じ遺跡の通路だった。ラーンはイシェとテルヘルに駆け寄った。「どうしたんだ? 何があったんだ?」
イシェは顔色が悪く、テルヘルも眉間に皺を寄せながら、「何か…あったようだ。記憶が曖昧だが…」と呟いた。彼らは再び祭壇へと向かったが、そこには何もなかった。金色の箱は消え去り、光さえも失われていた。
「一体何だったんだ…?」
ラーンは絶望的な表情を見せた。イシェは冷静に状況を分析し、「何かが私たちの力を試したのだと思う。そして、まだその力は行使されていない。」と結論付けた。
テルヘルは鋭い眼光で周囲を見回し、何かを察知した様子だった。「この遺跡にはまだ秘密がある。そして、それは我々にとって大きな意味を持つだろう…」彼女はそう呟き、再び遺跡の奥へと足を踏み入れた。ラーンとイシェは互いに顔を見合わせたが、テルヘルの後を追いかけるように遺跡の中へと進んでいった。