灼熱の太陽が容赦なくビレーの街を照らしつける中、ラーンはイシェの眉間に刻まれたしわを見てため息をついた。「また遺跡探検か…。本当に大穴が見つかるわけないだろ」。イシェは冷静に「そんなこと言わずに準備をしろ。今日はテルヘルが特に高い報酬を出しているんだ」と返した。
テルヘルは今日もいつものように冷酷な表情で彼らを待っていた。彼女の鋭い視線はまるでラーンの無計画さを責めているようにも見えた。「今日の遺跡はヴォルダンとの国境に近い場所だ。危険度は高いが、その分報酬も大きいのだ」とテルヘルは言い放った。ラーンの心は不安でざわめいていた。だが、イシェの冷静な表情を見て少しだけ安心した。
遺跡の入り口に立つと、ラーンは息をのんだ。広大な空間には崩れ落ちた石柱が立ち並び、壁には不可解な文字が刻まれていた。空気が重く、静寂に包まれ、まるで古代の呪いを感じさせるような場所だった。イシェは慎重に足取りを確かめながら遺跡内部へと進んでいった。ラーンはテルヘルの指示に従い、剣を構えて周囲を見回した。
深い闇の中に進むにつれて、ラーンの不安は増していった。彼らを襲う危険は想像を絶するものであり、その恐怖に彼は茫然とした。イシェの冷静な判断とテルヘルの鋭い洞察力で何とか進み続け、ついに遺跡の中心にたどり着いた。そこには古代文明の技術が凝縮された巨大な装置があった。
しかし、その瞬間、装置から強烈な光が放たれ、ラーンは意識を失った。目を覚ますと、彼は見知らぬ場所にいた。そこは広大な砂漠で、どこまでも続く空の下に、彼の姿だけがぼんやりと浮かんでいた。茫然自失のラーンの視界に、イシェの姿が見えた。イシェは冷静に「大丈夫か?ここは遺跡の中心部だ」と言ったが、ラーンの心には不安と恐怖が広がっていた。
この遺跡探検が彼らをどこへ導くのか、ラーンは茫然としたまま未来を見つめていた。