ラーンの大剣が遺跡の奥深くへと轟く。石塵が舞う中、イシェは眉間に皺を寄せながら周囲を確認した。狭い通路を進むにつれて、空気は湿り気を帯び、不気味なまでに静かになっていく。「ここって…本当に大丈夫なの？」イシェの声は震えていた。ラーンは豪快に笑って、「大丈夫だ！俺のカンが言うんだ！」と返したが、彼の顔にも僅かな不安の色が見えた。
テルヘルは彼らを先導するように進んでいく。彼女の足取りは軽やかで、まるでこの遺跡に精通しているかのように迷うことなく進んでいた。「目的の遺物は近いはずです」彼女は冷たく告げる。だが、その声にもわずかな焦りを感じ取ることができた。
彼らはついに巨大な石の扉の前にたどり着いた。扉には複雑な模様が刻まれており、古代の呪文のようなものが書かれていた。「この扉を開けば、遺物があるはずだ」テルヘルは言ったが、彼女の視線はどこか落ち着きがない。
ラーンは力任せに扉を押したが、 budge しない。イシェは魔法で扉を解こうとしたが、効果がない。その時、扉の奥から低い唸り声が聞こえてきた。それは獣のような咆哮ではなく、何か巨大な機械が動き出すような轟音だった。「これは…！」イシェは言葉を失った。
ラーンは剣を構え、「行くぞ！イシェ！」と叫んだ。しかし、テルヘルの表情は険しく、どこか諦めにも似たものを感じさせた。「この遺跡は…俺たちに渡さない」彼女は呟きながら、扉の模様に手を伸ばした。
その時、扉が突然轟音と共に開き始めた。その奥からは、眩しい光が放たれ、彼らを包み込んだ。イシェは目をぎゅっと閉じた。「これは…一体…？」
苦しげな吐息と、石が崩れ落ちる音が響き渡る中、ラーンは自分の剣を握りしめ、恐怖を感じながらも、仲間を守るために立ち向かう決意をした。