ラーンの大ざっぱな指示で進む遺跡探検。イシェはいつも通り眉間にシワを寄せながら地図を広げていた。
「本当にこれでいいんだろ? この道、なんか怪しい気がするんだけど…」
「大丈夫だ大丈夫!俺の直感が言ってるんだ。ほら、あの奥に何か光が見えねぇか?」
ラーンの指さす方向には、薄暗い通路の先にわずかに光が差しているように見えた。イシェはため息をつきながら、地図をしまう。
「わかった、わかった。でももし罠だったら責任取ってもらえるよな?」
「もちろんだよ!俺が責任とるから、さあ行こう!」
ラーンは意気揚々と先へ進み出す。イシェは仕方なく後をついていく。
すると、通路の奥から不気味な音が聞こえてきた。金属的な擦れる音と、かすかな獣の咆哮だ。ラーンの顔色が一瞬青ざめたが、すぐにいつもの自信を取り戻したように笑った。
「なんだ、ただの野生の獣だろう。俺たちには怖くない!」
そう言うと、剣を抜いて先頭に立つ。イシェは不安を感じながらも、テルヘルに指示された通り、後方から彼を見守りながら進むことにした。
通路の奥へ進むにつれて、不気味な音が大きくなっていった。そしてついに、彼らは巨大な扉の前に到着した。扉には複雑な紋様があしらわれ、その中央には赤い宝石が嵌められていた。
「これは…!」
イシェは息をのんだ。この紋様、どこかで見たことがあるような気がした。
ラーンは扉に手を伸ばそうとしたその時、テルヘルが彼を制止した。
「待て、ラーン。この扉には何か仕掛けがあるかもしれない。」
テルヘルは慎重に扉の紋様を観察し始めた。すると、彼女は扉の脇に小さなレバーを発見した。
「ここだ。このレバーを操作する必要があるみたいだ。」
テルヘルの指示に従い、イシェがレバーを動かすと、扉がゆっくりと開いた。
扉の先には、広大な部屋が広がっていた。部屋の中央には、黄金の宝箱が置かれていた。
「やったー!大穴だ!」
ラーンは大喜びで宝箱に駆け寄ろうとしたが、テルヘルは彼を再び制止した。
「待て、ラーン。まだ早すぎる。」
テルヘルは部屋の様子を警戒しながら周囲を見回す。
「何か変だ…この部屋、どこかで見たことがあるような…」
イシェも不安を感じ始めた。
その時、部屋の壁から突然、鋭い光が放たれた。ラーンは思わず目を背けたが、その光は彼らを包み込み、次の瞬間、彼らは別の場所に転送された。