「よし、入ろう！」ラーンの声が響き渡る。イシェはため息をつきながら後ろから続く。目の前の遺跡は崩れかけた石造りの門が朽ち果てているだけで、内部の様子は全く見えない。
「本当にここに入るのか？何か嫌な予感がする」イシェの言葉にラーンは笑った。「そんなこと言わずに、ほら、テルヘルさんが待ってるぞ！」と、彼はAlready the entrance was beckoning them, promising untold riches or perhaps an equally untold demise.
テルヘルは既に遺跡の奥深くまで進んでおり、薄暗い通路の先に立っていた。彼女の表情はいつも通りに冷酷で、何かを察知しているかのように鋭い視線を周囲に放っている。「遅っな！早く準備しろ」とテルヘルは短く切り捨てた。
ラーンの背後からイシェが彼に触れ、「何か変だぞ…」とささやいた。しかしラーンは気にせず、テルヘルの後をついて遺跡の中へと進んでいった。
通路は狭く、石畳は苔むして滑りやすかった。彼らは慎重に足を踏み入れ、周囲を警戒しながら進んだ。壁には謎の文字が刻まれており、イシェは興味津々に観察していた。しかしラーンはそんなものには目もくれず、ただ前に進むだけだった。
しばらく進むと、通路は広くなり、中央に巨大な石棺が置かれていた。その周りには、まるで儀式が行われたかのような跡が残っていた。テルヘルは石棺に向かって歩み寄り、手を伸ばした。「これは…！」彼女は驚愕の声を上げた。
その時、背後から不気味な音が響き渡った。ラーンとイシェが振り返ると、通路の奥から何者かがゆっくりと姿を現していた。それは巨大な怪物で、鋭い牙と爪を持ち、真っ赤な目が恐ろしく光っていた。
「逃げろ！」テルヘルは叫んだ。しかし、すでに遅かった。怪物は怒涛の勢いで彼らに襲いかかってきた。ラーンは剣を構え、必死に抵抗したが、その力は敵わず、吹き飛ばされてしまった。イシェも怪物に追われ、絶体絶命の危機に瀕していた。
その時、テルヘルが何かを叫んだ。「イシェ！あの石棺の後ろに！」イシェは彼女の声に従い、必死に石棺の裏側に逃げ込んだ。怪物が迫ってくる中、イシェは息を潜めて目を閉じた。
すると、突然、激しい音が響き渡り、地面が激しく揺れた。イシェが目を覚ますと、怪物は姿を消し、遺跡の中央には大きな穴が開いていた。そして、その穴から光が差し込んできた。
「やった！」テルヘルが叫んだ。「脱出だ！」ラーンもイシェの元に駆け寄り、共に穴から外へと飛び出した。振り返ると、遺跡は崩壊しつつあった。彼らはギリギリセーフで脱出することに成功したのだ。