「おい、イシェ、今日はいい感じの予感がするんだ！」
ラーンが胸を張って宣言した。イシェは眉間にしわを寄せながら、彼の手にかかっていた錆び付いた地図を指差した。
「いい予感？ ラーン、この地図は３日前から見てるじゃないか。それに、あの遺跡は危険だって聞いたことがあるぞ。罠だらけらしいし、肝心な遺物もほとんど持ち去られてるってさ」
イシェの言葉にラーンの顔は曇った。確かに、最近見つけた遺跡はどれも期待はずれで、肝心の遺物はすでに盗掘されているか、劣化して価値がなかった。それでも、ラーンは諦めきれなかった。いつか、あの大穴を掘り当てる日が来ることを信じているからだ。
「大丈夫だ、イシェ！ 今回は違う！ テルヘルが言うには、この遺跡にはまだ見ぬ古代の武器が残っているってんだ！」
ラーンの目は輝きを取り戻した。テルヘルはいつも冷静で、情報も正確だ。彼女の言葉なら信じていい。 besides, イシェはラーンに振り回されるのが常 anyway.
「古代の武器か… 確かに、価値があるかもしれないな…」
イシェはため息をつきながら、地図をしまった。ラーンの熱意には抗えない。それに、テルヘルが言うように、この遺跡にはまだ何かあるかもしれない。
遺跡の入り口に近づくと、冷たい風が吹き付けてきた。石造りの門には苔が生え、朽ちかけた柱が崩れ落ちそうになっている。不気味な静寂に包まれ、ラーンの胸は高鳴り始めた。
「よし、イシェ！ 行くぞ！」
ラーンは剣を手に取り、遺跡へと足を踏み入れた。イシェもためらいがちながらも後を追う。テルヘルは二人が進む様子を見つめながら、薄暗い表情で呟いた。
「この遺跡には、何かが眠っている…そして、それは必ずや、彼らを待ち受けている…」