ラーンが巨大な石の扉を勢いよく蹴り破ると、埃が舞って視界を遮った。イシェは咳き込みながら「また無茶するな！あの扉、何百年も封印されていたんじゃないのか？」と叱りつけた。
「大丈夫、大丈夫。ほら、見てみろよ！」ラーンは石化した骸骨が散らばる広間を指差した。壁には古代文字で書かれた文様があり、その中心には金色の装飾品が輝いていた。「これは大穴だ！イシェ、ついに俺たちの夢が叶うぞ！」
イシェは眉間に皺を寄せた。「大穴か…でも、この遺跡の雰囲気は違う。何か不吉な予感がする」
その時、テルヘルが背後から低い声で言った。「聖典に記されている通りだ。この遺跡はヴォルダン王が封印した場所。ここに眠るのは強力な魔物であり、それを鎮めるための鍵こそが我々が探す遺物なのだ。」
ラーンの表情が曇った。「魔物か…でも大丈夫だ！俺が剣で倒しちまえれば良いんだ！」
イシェはテルヘルの言葉に不安を感じながらも、ラーンの勇気に押され、小さく頷いた。３人は慎重に遺跡の中を進んでいった。壁には呪いの人形や魔物の絵が描かれており、不気味な雰囲気に包まれていた。
そしてついに、彼らは奥の部屋にたどり着いた。そこには巨大な石棺が置かれており、その上には金色の装飾品が輝いていた。
「これが鍵か…」テルヘルは息を呑んだ。「聖典に記されている通りだ。この鍵で魔物を封印した場所を開けることができる。」
ラーンは興奮気味に剣を構えた。「よし！これでヴォルダンを倒せるぞ！」
イシェは不安げな表情で言った。「待て、ラーン。何か変だ…この部屋の雰囲気…聖典には記されていなかった…」
その時、石棺から黒い煙が立ち上り始めた。煙の中に赤い目が浮かび上がり、不気味な声が響き渡った。
「汝等を…喰らう…」