日差しが容赦なく照りつける砂漠を、ラーンとイシェは息を切らしながら歩いていた。遺跡の調査を終え、ビレーに戻る途中だった。背中には重い荷物。テルヘルが厳しく命じた「持ち帰るものリスト」には、奇妙な石碑の破片や錆びついた金属片など、一見価値のないものが並んでいた。
「こんなもん本当に価値あるのかよ?」ラーンが不機嫌そうに呟くと、イシェはため息をついた。「テルヘルに言われた通りにすればいいんだよ。 complainingは無駄だ。」
ラーンの視線が遠くを見据える。「いや、俺にはな。いつか大穴を掘り当てて、こんな苦しいことしなくて済む日が来るはずだって信じてるんだ」
イシェは何も言わずに歩き続けた。ラーンの楽観的な言葉の裏に、深い諦めを感じていた。彼自身もいつしか、この遺跡探索が自分たちにとって本当に正しい道なのか疑問を抱き始めていた。
夕暮れの薄闇が辺りを取り囲む頃、彼らは小さなオアシスを見つけた。疲れ果てた二人は水を求めて駆け寄った。その時、イシェはラーンの足元に何か光るものがあることに気づいた。「ラーン、あれは何だ?」
ラーンもその光を目にし、目を丸くした。「なんだこれは…」
それは小さな箱だった。銀でできており、複雑な模様が刻まれている。箱の表面には、まるで血痕のように赤い石が埋め込まれていた。ラーンが慎重に箱を開けると、中には一枚の古い地図と、金貨がぎっしり詰まった小さな袋があった。
「 jackpot だ!」ラーンは歓喜の声を上げた。イシェも驚きを隠せなかった。しかし、その時、箱から薄っすらと赤い煙が立ち上がり、二人は激しい頭痛に襲われた。
意識が朦朧とする中、イシェは何か不吉な予感を抱き、必死にラーンの手を掴んだ。「ラーン…これは…」
「なんだって?」ラーンは苦しそうに言った。
イシェは恐怖で声が震えた。「この箱…何か悪いものを感じるのだ…」
その時、赤い煙が急速に広がり、二人を包み込んだ。そして、二人は深い闇の中に落ちていった…。