「よし、今回はあの遺跡だ!噂によると、奥深くにある部屋には素晴らしい宝が眠っているらしいぞ!」ラーンの目は輝き、興奮気味にイシェとテルヘルに話しかけた。イシェはいつものように眉をひそめた。「またそんな噂話ばかり…」と呟いた後、地図を広げて確認し始めた。テルヘルは涼しい表情でラーンを見つめ、「宝などどうでもいい。あの遺跡には私が探しているものがある」と静かに言った。
ビレーの街から少し離れた場所にそびえ立つ遺跡は、荒れ果てた石造りの壁と崩れかけた塔で構成されていた。かつて栄えた文明の名残が今もわずかに感じられるが、今は朽ち果て、危険に満ちている。ラーンは剣を手に、真っ先に遺跡の入り口へと駆け込んだ。イシェは懐中電灯を点け、慎重に後を追った。テルヘルは後ろからゆっくりと歩きながら、周囲の様子を警戒していた。
遺跡内部は暗く、湿った空気で満たされている。壁には奇妙な模様が刻まれており、時折不気味な音が響き渡る。ラーンは興奮気味に、石の階段を駆け上がっていった。イシェは足取りを重くし、周囲の状況を注意深く確認しながら続いた。テルヘルは静かに、鋭い視線で遺跡の奥へと目を向けていた。
彼らは深い地下へと降りていくにつれて、遺跡の雰囲気が一変した。壁には複雑な模様が刻まれ、空気が重苦しくなった。そしてついに、巨大な石扉の前にたどり着いた。扉には古代文字が刻まれており、ラーンの興奮を抑えきれなくなった。「ここだ!素晴らしい宝が眠っているはずだ!」
イシェは扉に刻まれた文字を注意深く読み解いていた。「これは…警告の文字だ。この扉を開ける者には、大きな試練が待ち受けている…」と呟いた。しかし、ラーンの熱意を止めることはできなかった。彼は力強く扉を押し開けた。その瞬間、激しい光が彼らを包み込み、遺跡は激しく振動した…。