ラーンが巨大な石門を軽々と押し開けた時、埃っぽい空気が充満した遺跡内部に広がる光景に息をのんだ。イシェは小さく「すごい…」と呟き、テルヘルは眉間に皺を寄せて周囲を見回した。
「ここなら何か見つかるかもしれない」
ラーンの言葉に、イシェは不安げな表情で言った。「でも、この遺跡…なんか不気味じゃない?」壁一面に描かれた奇妙な模様は、まるで生きているかのように脈打つようだった。
「気にすんな。大穴が見つかれば、どんな危険も吹き飛ぶぜ!」ラーンはいつものように豪語し、剣を手に先へ進もうとした。だが、その時、床に埋められた石板が突然光り輝き、激しく振動し始めた。
三人は慌ててバランスを崩しながら後退する。石板から発生した衝撃波は、壁の模様を粉砕し、埃と瓦礫を巻き上げて広がっていった。
「なんだこれは…」イシェは恐怖で声も出ない。テルヘルは冷静に状況を分析していた。「罠だ。この遺跡には何か危険な仕掛けがある」
石板の輝きは増し、その中心から鋭い光線が放たれた。ラーンは反射的に剣を構え、光線を粉砕するように斬りつけた。しかし、光線は消えず、ラーンの剣を貫通して彼の腕に突き刺さった。
ラーンが悲鳴を上げると同時に、イシェは慌てて駆け寄った。「ラーン!大丈夫?」
だが、ラーンの体は光線に包まれ始め、みるみるうちに崩れ始めていた。イシェは絶望的な表情で叫んだ。「ラーン!」