ラーンが巨大な石の扉の前に立ち尽くしていた。イシェが後ろから「どうしたの?」と声をかけた。ラーンの視線は扉の上部に刻まれた奇妙な紋章に注がれていた。「見たことあるような… 」彼は首をひねった。「どこかで…」
イシェは肩をすくめた。「そんなこと言っても仕方がないわよ。早く開けなさいよ。テルヘルが待ってるし」
ラーンは頷き、扉に手をかけた。しかし、 budge しなかった。力を込めるも、まるで固定されているかのように動かない。イシェが「どうしたの?」と近寄ると、突然石扉から轟音と共に砂埃が噴き上がった。扉の紋章が光り輝き、そこから赤い光を放ち始めた。
ラーンは目を細めた。「なにか…起きる!」
その時、背後からテルヘルの声が聞こえた。「逃げろ!」
ラーンの視界は真っ赤に染まり、激しい熱風が彼らを襲った。イシェがラーンの腕をつかみ、必死に引きずり出した。砂埃が晴れると、石扉は完全に消滅し、その跡には巨大な穴が開いていた。穴からは熱気が立ち上り、不気味な光が揺らめいているのが見えた。
テルヘルは顔色を悪くした。「これは…」
ラーンは興奮した声で言った。「遺跡だ!大きな遺跡だ!」
イシェは不安そうに言った。「でも、何か変だと思う…」
しかし、ラーンの目は輝いており、すでに穴の中に飛び込んでいく準備をしていた。イシェの言葉は届かなかった。テルヘルがため息をつき、剣を抜いた。
「行くしかありませんね」