ビレーの夕暮れ時、ラーンは酒を片手にイシェに話しかけていた。「なあイシェ、今日の遺跡はダメだったな。また明日、あの迷宮みたいな場所に行くか?」
イシェは眉間にしわを寄せながら「ラーン、もう何回も言っただろう?あの遺跡は危険すぎる。ましてや、あの迷路のような構造…。何かが起こったらどうするんだ!」
「大丈夫だ!俺が先頭に立って切り開けばいいんだろ?それに、もし大穴が見つかったら、お前も大金持ちになれるぞ!」
ラーンの言葉にイシェはため息をついた。ラーンはいつも通り、楽観的で計画性がない。しかし、彼には仲間への情が深く、その熱意にはどこか惹かれるものがあった。
その時、テルヘルが tavern に入ってきた。「今日はいい仕事だった」と彼女は冷めた声で言った。「あの遺跡には興味深い遺物があったようだ。特に、あの石版は…」
テルヘルの言葉にラーンの目が輝いた。「石版?何て書いてあるんだ?」
「まだ解読は終わっていないが、古代の秘蔵技術に関する記述らしい」
ラーンの興奮を抑えきれない様子を見て、イシェは不安になった。「秘蔵技術…?」
テルヘルはニヤリと笑った。「その技術を手に入れれば、ヴォルダンにも対抗できるかもしれない。そして…」彼女は鋭い目でラーンを見た。「あの大穴も手に入るかもしれない」
イシェは言葉を失った。ラーンの夢を叶えるためには、秘蔵技術が必要なのかもしれない。しかし、その技術が持つ危険性も無視できない。
「明日、また遺跡に行こう」
ラーンの決意にイシェは戸惑いながらも頷いた。彼らは、秘蔵技術を求め、そして大穴の夢に向かって、再び遺跡へと足を踏み入れることになるだろう。