ラーンの大雑把な指示に従い、イシェは慎重に石畳を踏んでいく。遺跡の奥深くへ進むにつれ、壁には複雑な幾何学模様が刻まれていた。
「これって…もしかして？」イシェが呟くと、ラーンは眉間に皺を寄せた。「まさか、あの伝説の…」
テルヘルは静かに頷きながら、古い書物から引用した言葉を口にした。「『星図に刻まれた真理は、時空を超えて蘇る』と。この遺跡は、かつて高度な文明が築いた天文台だった可能性がある」
イシェは興奮気味に言った。「つまり、あの記号は星座を表しているのかもしれない！もしそうなら…」
ラーンの脳裏には、遺跡の奥深くで眠るという巨大な宝の像が浮かんだ。
「大穴だ！」
彼は興奮を抑えきれない様子で、壁に刻まれた模様を指さした。「この星図を解読すれば、宝の場所が分かるかもしれない！イシェ、お前は地図のスペシャリストだろ？手伝ってくれ！」
イシェはため息をつきながら、ラーンの熱意に圧倒された。
「わかったわ、わかった。でも、本当に星図なのかどうかは分からないわよ」
テルヘルは冷静な表情で言った。「星図が本当だとすれば、この遺跡はヴォルダンにとっても貴重な情報源になるだろう。彼らが動き出す前に、宝を手に入れなければならない。」
３人は互いに協力し、壁に刻まれた複雑な模様の解読に取り組んだ。イシェは持ち前の洞察力で、幾何学模様から星座の配置を読み解き、ラーンは彼女の指示に従い、遺跡の奥深くへと進んでいった。テルヘルは常に周囲を警戒し、彼らの安全を守りながら、情報収集にも努めた。
日が暮れ始めると、ついにイシェが興奮した声で言った。「わかった！これが正解だ！」
彼女は壁に刻まれた模様を指さし、星空と照らし合わせていくと、特定の場所にたどり着いた。
「ここだ！宝の場所だ！」