ビレーの薄暗い酒場に、ラーンがイシェを引っ張ってきた。「ほら、見てみろ！いい仕事もらったぞ！」と、ラーンはテーブルに広げた羊皮紙を叩きつけた。イシェは眉間に皺を寄せながら、そこには記された複雑な地図と、テルヘルからの依頼内容を確認した。遺跡探索の報酬は確かに高額だが、場所はビレーから遠く離れた、ヴォルダンとの国境近くに位置する未踏の地だった。「危険すぎるんじゃないか？」イシェが不安そうに言った。「あのあたりはヴォルダンの兵士が頻繁にパトロールしているという噂があるぞ」ラーンは豪快に笑って「大丈夫だ。テルヘルが言うには、あの遺跡には禁制を解く鍵になるものがあると。大穴が見つかるかもしれないんだ！」と胸を張った。イシェはラーンの熱意に押されながらも、どこか心落ち着かない。
テルヘルの指示に従い、3人は数日かけて未踏の地へと向かった。道中、彼らはヴォルダンの兵士の足取りを感じた。彼らは森の中に隠れ、見過ごされるように慎重に進んだ。遺跡の入り口は深い森に覆われ、不気味な静けさだった。イシェは背筋がぞっとするような感覚を覚えた。「何か変だ」と呟いた。ラーンは「そんなことないよ、さあ行こう！」と焦るように言った。しかし、イシェの直感は的中した。遺跡の奥深くで、彼らはヴォルダンの兵士に遭遇し、激しい戦いを繰り広げることになる。ラーンは剣を振り回し、勇敢に戦い、イシェは素早い動きで敵をかわし、テルヘルは冷酷な表情で魔法を放つ。しかし、彼らは圧倒的な数の前に追い詰められていく。その時、イシェは遺跡の壁に刻まれた奇妙な文様を発見した。それはまるで警告文のように見えた。「禁制...」イシェは呟き、その文様の真下に隠されたスイッチを見つけた。
彼は迷わずスイッチを押し込んだ。すると、遺跡全体が激しく揺れ始め、壁から光が放たれた。ヴォルダンの兵士たちは混乱し、撤退を開始する。イシェはラーンとテルヘルに「あのスイッチで何か起きたようだ！逃げろ！」と叫んだ。3人は遺跡から脱出することに成功したが、彼らの背後では、遺跡が崩壊し始めた。イシェは振り返りながら、「あの禁制...一体何を解き放ったんだろう…」と不安げに呟いた。