ラーンの大雑把な swing で埃が舞い上がった。遺跡の奥深く、薄暗い空間の中央には石棺が鎮座していた。イシェは眉間に皺を寄せながら、周囲をくまなく確認した。
「何か変だ。こんな場所に石棺があるのは...」
「おーっ、大穴だ！これで我々の生活も豊かになるぞ！」ラーンは興奮気味に石棺の蓋に手を伸ばそうとしたが、イシェに制止された。
「待て！何か罠があるかもしれない。慎重に確かめないと。」
テルヘルは静かに石棺を吟味し、その表面に刻まれた複雑な模様を指でなぞった。
「これは...ヴォルダンの紋章だ。まさかここに...」
彼女の瞳に憎しみが燃え上がる。この遺跡はヴォルダンが何らかの目的で利用していた可能性が高い。石棺には何が入っているのか、そしてなぜヴォルダンはこの場所にそれを隠したのか。様々な疑問が頭をよぎる中、イシェは突然声を上げた。
「あの...何か聞こえる？」
薄暗い空間から、かすかな音が聞こえてきた。まるで...祝祭の音楽のような。
ラーンの表情が曇り始めた。「これは...悪い予感だ。」
その時、石棺の蓋がゆっくりと動き出した。そこから溢れ出るのは、不気味な光ではなく、鮮やかな花々だった。石棺からは、祝祭の音がますます大きく聞こえてくる。
「何だこれは...？」ラーンは困惑しながら呟いた。
テルヘルは硬い表情で言った。「ヴォルダンが何か企んでいるに違いない。我々はすぐにこの場所から出るべきだ。」
しかし、その時、石棺から現れたのは花々ではなく、謎の獣の姿だった。それは祝祭の音楽に合わせて、優雅に舞う姿を見せながら、ラーン達に向かってゆっくりと近づいてきた。