ラーンが巨大な鉄扉の前に立ち尽くしていた。イシェの冷静な声が後ろから聞こえた。「あの扉、本当に開くのかい? そんな大穴を開けるには、もっと強力な何かが必要じゃないか?」
「大丈夫だ。この扉はまるで俺を待っていたかのようだ」ラーンは力強い声で答える。彼の視線は扉の表面に集中していた。そこに複雑な模様が刻まれており、まるで磁石のように彼の心を引き付けているようだった。
テルヘルは背後から、冷ややかな目で二人を見下ろした。「その扉を開けるには、特別な鍵が必要だ。噂では、古代文明の遺跡で発見されたという、磁石のような石があるらしい」
「磁石のような石か…」イシェが呟いた。ラーンの視線は扉から離れず、まるでそこに何かが宿っているかのように、じっと見つめていた。
「よし、探すぞ!あの石を手に入れたら、この扉を開けてみせる!」ラーンの言葉に、イシェはため息をついた。だが、彼の瞳には、どこか燃えるような光が宿っていた。