「よし、今日はここだな」。ラーンが粗末な地図を広げ、指を置いたのは、崩れかけた石造りの遺跡だった。イシェは眉をひそめた。「また危険な場所かい？ 以前のあの洞窟みたいに、 collapse してしまったらどうしよう…」
「大丈夫だ！俺たちは探検家だぞ！冒険こそがロマンだろ？」ラーンの豪快な声に、イシェはため息をついた。テルヘルは地図をじっと見つめ、「碑文には、この遺跡の奥深くに『王の秘宝』が眠ると記されている」と静かに言った。「もちろん、その前に数々の罠が待ち受けているだろう。準備は万端か？」
ラーンの剣が光り、イシェは小さな包丁を握りしめた。テルヘルは冷静に周囲を見回し、地図に書き込んだ。「ここには、碑文に記されたシンボルと一致する場所があるはずだ」。三人は遺跡へと足を踏み入れた。石畳は苔むして滑りやすく、崩れそうな箇所も多かった。
「ここは昔、誰かが住んでいたんだな」ラーンの視線は、壁に残る僅かなフレスコ画に注がれていた。「王の秘宝って一体何なんだろ？」
イシェは古い碑文を指さし、「王の秘宝とは、この国の歴史に深く関わっているらしい。その力さえ手に入れば…」と呟いた。ラーンの顔色が変わった。
「おいおい、そんな話、冗談だろう？俺たちはただの遺跡探検家だぞ！大穴が掘り当てられればいいと思ってるんだ！」
テルヘルは鋭い目で彼らを睨みつけた。「お前たちには、まだ理解できないことがあるようだ」。彼女は碑文を指さし、「この碑文には、王の秘宝が持つ力は、国の運命を変えるほどのものだと記されている」と告げた。
三人は遺跡の奥深くへと進んでいった。暗闇の中に、かすかに光る何かが。それは、壁に刻まれた古代の文字だった。「ここだ！」テルヘルが叫んだ。碑文を解読した彼女は、壁にある仕掛けを操作し始めた。すると、壁の一部がゆっくりと開いていく。その奥には…。
ラーンは目を丸くし、イシェは息をのんだ。そこには、想像を絶する宝の山が広がっていた。しかし、その前に立ちはだかるのは、巨大な石像だった。石像の目は赤く光り、脅威を放つように三人に迫ってきた…。