ラーンの大 hineinする声にイシェが振り向くと、ラーンは目を輝かせて遺跡の奥深くにある石碑を指さしていた。
「おいイシェ、見てみろ！古代の文字だぞ！もしかしたら、この遺跡の秘密が解き明かせるかもな！」
イシェはため息をついた。「またそんな大げさな話かい？ラーン。あの石碑はただの欠片だよ。何年も前からそこにあったし、誰も興味を示さなかっただろう？」
「でもね、もしかしたら、あの石碑が…」
ラーンの言葉は途絶えた。彼の視線は石碑の裏側に向けられていた。イシェもようやく気づいた。石碑の裏側に刻まれた複雑な模様。それは、ラーンがいつも口にする「大穴」の伝説に描かれているシンボルと酷似していた。
その時、背後から冷たい声が響いた。「面白い発見ですね。」
テルヘルが近づいてきて、石碑をじっと見つめている。彼女の鋭い視線はまるで石碑を透かして遺跡の奥底まで覗き込んでいるようだった。
「このシンボル…私は見たことがある」
テルヘルはゆっくりと口を開いた。「ヴォルダン王室の秘蔵資料に…。」
一瞬の沈黙の後、ラーンが興奮気味に言った。「つまり、この遺跡にはヴォルダンの宝が眠っているってことか？」
イシェは冷静に問いかけた。「でも、なぜヴォルダンがこんな場所に宝を隠す必要があるんだろう？そして、テルヘルはなぜそれを知っているんだ？」
テルヘルの表情は影を落としていた。彼女は口を開こうとした瞬間、遺跡の奥から轟音が響き渡った。石碑が激しく揺れ、埃が舞う中、ラーンが叫んだ。
「これは…！」
その瞬間、三人は互いに目を合わせた。彼らの視線は、崩れ始める遺跡の奥深くへと向けられていた。そこには、古代の扉がゆっくりと開いているのが見えた。