ラーンの大 hammer が石壁に激突した音が、狭い通路にこだました。埃が舞い上がり、一瞬視界が遮られた。イシェは咳き込みながら「また無駄な力の使い方だ」と呟いた。ラーンは肩をすくめて、「いいんだよ、この壁には何かあるって気がするんだ！」と答えた。
テルヘルは背の高い通路の奥に目をやると、「ここには何もないわ」と冷静に言った。「遺跡の構造から判断すると、宝庫は別の場所に存在する可能性が高い。」
ラーンの視線はテルヘルの鋭い瞳から逸れず、一瞬ためらった後、小さく頷いた。「わかった。じゃあ、イシェ、お前が地図を確認して、次のポイントを探せ！」
イシェは小さなランプを手に取り、壁に描かれた複雑な模様をじっと見つめた。彼女の眉間に皺が寄っていく。「この模様...どこかで見たことがあるような気がする」と呟きながら、指先で線路をたどるように地図の端まで移動した。「ここだ！」
イシェの声にラーンとテルヘルが駆け寄ると、彼女は興奮気味に地図を指差した。「この記号、以前別の遺跡で見かけたことがある。伝説の『瞬きする宝石』が眠っている場所を示すものだと...！」
ラーンの顔色が変わった。「瞬きする宝石か！？」彼は目を輝かせながら、「あの伝説は本当だったのか！」と叫んだ。イシェは少し困惑しながらも、ラーンの熱気に押されるように頷いた。
テルヘルは冷静に状況を分析した。「伝説によると、その宝石は強力な魔法の力を持つという。しかし同時に、危険も伴うと言われている。」彼女はラーンを見つめ、「それでも手に入れたいのか？」と尋ねた。
ラーンの表情は一瞬曇ったが、すぐにいつもの豪快な笑みが戻った。「もちろんだ！俺たちの人生を大きく変えるチャンスだ！」
イシェはため息をつきながら、「またしても...」と呟いた。しかし、彼女の瞳にもわずかな期待の光が宿っていた。三人は再び遺跡の奥深くに足を踏み入れるために準備を始めた。