ビレーの喧騒を背に、ラーンが巨大な遺跡の入り口に足を踏み入れた時、イシェは眉間にしわを寄せた。「またここか。本当にこの遺跡で何か見つかると思うのか?」
ラーンの豪快な笑い声がこだました。「いつか必ず大穴を見つけるさ!ほら、イシェもあの日見たか?あれほどの光が放たれた遺跡は、ただの石ころの山じゃないぞ!」
イシェはため息をついた。あの光の正体については、ラーン以外誰も解明できていなかった。しかし、その輝きは確かに目覚ましく、彼らの心に強烈な印象を残したのだ。
テルヘルが鋭い視線で遺跡の壁を撫でながら言った。「この遺跡には何か秘密があるはずだ。ヴォルダンが執拗に調査しているのも、単なる偶然ではない。」
ラーンの瞳は闘志に燃えた。「ヴォルダンか!あの大国は一体何を企んでいるんだ?俺たちにできることなら、必ず手伝うぞ!」
イシェは不安げな表情を浮かべながらも、二人の後ろをついていった。彼らの前に広がるのは、未知なる遺跡の奥深くへと続く暗い通路だった。