盟主

同盟や団体の主導者。

物語への影響例

権力と責任の集中。集団の象徴的代表者。個人と組織の同一視。

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「おい、イシェ!あの石碑、見てみろよ!」

ラーンが興奮気味に叫びながら、埃っぽい遺跡の奥深くへと駆け込んだ。イシェはため息をつきながら、彼の後を追った。

「またそんなものか…」

石碑には古代文字が刻まれていたが、イシェには意味不明だった。ラーンのように遺跡探しの経験豊富な者なら、わずかな手がかりからかつて栄えた文明の断片を想像できるかもしれない。だが、イシェはそうではない。彼女はあくまで現実的な考え方を持ち、遺跡探索の目的はあくまで報酬を得ることだと考えていた。

「これ、もしかしたら何かすごい財宝の地図だったりするんじゃないか?」

ラーンの目は夢見て輝いていたが、イシェは冷静に石碑を眺めた。

「そんなもの、ないわよ。ただの石碑でしょ」

「あきらめるなよ、イシェ!いつか必ず大穴を見つけるんだ!」

ラーンはそう言って、石碑の傍らにある小さな宝箱を開けた。中から出てきたのは、錆び付いた小刀だった。イシェは眉をひそめた。

「また無駄な物か…」

その時、背後から冷ややかな声が響いた。

「面白いものが見つかったようですね」

振り返ると、テルヘルが立っていた。彼女は鋭い眼光で石碑と宝箱を見つめていた。

「この小刀は、かつてヴォルダンの盟主が愛用した物だと伝えられています。歴史的な価値があるかもしれませんね」

テルヘルの言葉に、ラーンは目を丸くした。

「本当か?じゃあ、すごく高値で売れるんじゃないか?」

イシェはテルヘルの真意を疑った。彼女はいつも、何か別の目的を抱えているように思えた。

「その小刀は、ヴォルダンに対する復讐の鍵となるかもしれません」

テルヘルはそう呟きながら、ラーンに小刀を手渡した。ラーンの目は輝いていたが、イシェは不安を感じた。この小刀が、彼らの運命を大きく変えることになる予感がしたのだ。