ラーンの大 swing が埃を巻き上げながら空を切った。巨大な石扉の前で、彼は息を切らしていた。「よし、開いた！」イシェが小さく呟く。「本当に開くとは思わなかった…」
扉の向こうは漆黒の闇だった。テルヘルが小さな光る球体を投げ入れると、薄暗い空間が浮かび上がった。そこには、複雑な模様が刻まれた石柱が立ち並び、中央には巨大な祭壇があった。
「ここだ」テルヘルが祭壇に近づき、慎重に石版を調べ始めた。「ここに何か書かれている…古代ヴォルダン語だ…」
イシェは不安そうに言った。「ここはヴォルダン遺跡じゃないのか？ なんでヴォルダン語？」
テルヘルは顔を上げ、冷たい目でラーンを見つめた。「ヴォルダンの歴史は、皇帝が作り上げた物語に過ぎない。真実の起源は、ここにある。」
ラーンの眉間に皺が寄った。「おい、何言ってんだ？ そんな…」
「黙れ」テルヘルの声は冷たかった。「お前らは遺跡を掘るだけの存在じゃない。真実を知るためにここにいるんだ。」
イシェがテルヘルの言葉に反論しようとしたその時、祭壇の上で光り始めた。石版から放たれる光は、祭壇全体を照らし出し、壁一面に刻まれた模様を浮かび上がらせた。そこには、皇帝の姿を描いた壮大な絵画が広がっていた。
「なんだこれは…」ラーンが息をのんだ。絵画の中央には、皇帝の肖像画があり、その下に小さく書かれた文字があった。「ヴォルダンは皇帝によって支配されたのだ」イシェが読み上げた。「皇帝はヴォルダンの歴史を偽り、真実を隠蔽したのだ…」
テルヘルは静かに頷いた。「これが真実だ。そして、この遺跡には、皇帝の秘密が眠っている。」
ラーンとイシェは互いの顔を見合わせた。彼らの前に広がるのは、巨大な陰謀だった。