日差しが容赦なく照りつけるビレーの街外れ。ラーンとイシェは、テルヘルから依頼された遺跡の出入り口前で息を切らしていた。
「今回は本当に大変そうだぞ」イシェは額の汗を拭いながら言った。「あの遺跡は、昔ヴォルダンが攻めてきた際に崩落したらしいんだ。内部構造は複雑で、罠も仕掛けられている可能性が高い」
ラーンはニヤリと笑った。「そんなもん怖くないぜ！俺たちは最強のコンビだぞ！それに、テルヘルが言うように、今回は大穴になるかもしれないって話だ！」
イシェはため息をついた。ラーンの楽観主義にはいつも呆れていたが、彼がいるからこそ危険な場所にも足を踏み入れることができるのも事実だった。テルヘルは少し離れた場所で地図を広げながら、何かを呟いていた。
「王佐の石碑…あの遺跡には王佐の石碑があると噂されている。もしそれが本当なら…」
テルヘルは目を鋭く光らせた。王佐の石碑は、ヴォルダンに滅ぼされた故郷の王家の象徴であり、彼女にとって復讐を果たすための鍵となる可能性があった。
3人は遺跡へ足を踏み入れた。崩れかけた通路を慎重に進むと、壁には古代文字が刻まれていた。イシェは知識豊富なテルヘルに尋ねた。「この文字は何ですか？」
「これは…」テルヘルは眉間にしわを寄せた。「ヴォルダンの文字だ。ここに何をしているのか…？」
その時、床が突然崩れ、ラーンが深い穴へ転落した。イシェとテルヘルは慌てて駆け寄ったが、ラーンはすでに姿を消していた。
「ラーン！」イシェの声が響き渡る中、テルヘルは冷静さを保ち、地図を確認しながら言った。「ここは王佐の石碑がある場所だ。ラーンを助けるために、石碑を探し出さなければ。」
イシェは不安げに頷いた。2人は危険な遺跡の奥へと進んでいく。そこには、王佐の石碑が光り輝いていた。しかし、その石碑の前にはヴォルダンの兵士たちが待ち構えていた。