「おいイシェ、今日は俺が先頭だ！」ラーンが目を輝かせ、遺跡の入り口に足を踏み入れた。イシェはいつものようにため息をつきながら後を追った。テルヘルは二人を見下ろすように立ち、「無駄な動きを控えなさい。今回は時間との勝負だ。」と冷たく言った。
彼らは最近発見された遺跡に潜入していた。古い石畳が敷かれた通路を進んでいくと、壁には古代の文字が刻まれていた。イシェは懐中電灯の光を当てながら、その文字を解読しようと試みた。「これは…何か呪文のようなものだ。」イシェの声が震えた。ラーンは「そんなもん気にすんな！宝があるぞ！」とばかりに走り出した。
テルヘルはイシェの肩に触れ、「落ち着きなさい。この遺跡には危険な罠が仕掛けられている可能性があります。注意深く進みましょう。」と言った。彼女の目は鋭く、周囲を警戒していた。
深い闇の中を進むにつれて、空気が重くなっていった。ラーンの足取りも鈍くなり、イシェは不安げに後ろを振り返った。「何か変だ…」と呟いたその時、床が崩れ、ラーンが深い穴に落ちてしまった。
「ラーン！」イシェとテルヘルが駆け寄ると、ラーンの顔色は青白く、意識を失っていた。「大丈夫か？」イシェがラーンを抱き上げようとした瞬間、穴から冷たい風が吹き出し、奇妙な光が放たれた。
その光は、まるで意志を持っているかのように動き回り、イシェとテルヘルを包み込んだ。イシェは恐怖で体が震えたが、テルヘルは冷静さを保ち、「これは何だ…」と呟いた。
光が消えると、そこにはラーンの姿はなく、代わりに巨大な石碑が立っていた。石碑に刻まれた文字が、ゆっくりと光り始めた。イシェは石碑の文字を認識した。「これは…古代の予言だ！」
テルヘルは眉をひそめ、「予言？何を意味する？」と尋ねた。イシェは震える手で石碑の文字を読み上げた。「『選ばれし者 shall awaken the ancient power』…」
その時、石碑からさらに強烈な光が放たれ、三人は blinding light に包まれた。