ラーンの大斧が遺跡の奥深くにある石壁を粉砕した。埃が舞う中、イシェは眉間にしわを寄せながら、崩れかけた通路を見下ろした。
「また無駄な力仕事か。本当にここにも何かあるのか?」
「大丈夫だよ、イシェ。ほら見て!」
ラーンが得意げに石畳の下から引きずり出したのは、錆び付いた小さな金属箱だった。イシェはため息をつきながら箱を開ける。中からは、奇妙な形の水晶と、黄ばんだ紙切れが入っていた。
「また謎の遺物か…」
イシェが紙切れを手に取ると、そこに記されていたのは、歪んだ文字列だった。ラーンの顔色が変わった。「これは…ヴォルダンの言語だ!」
その時、遠くから、不気味な歌声と太鼓の音色が聞こえてきた。歌声は狂気に満ちていて、まるで sanity を蝕むように耳に焼き付く。イシェは背筋が凍りつくのを感じた。
「これは…何か悪い予感しかしない…」
ラーンの顔にも薄暗い影が落とされた。「ヴォルダンの人間か?まさか…」
その時、通路から黒い影がゆっくりと現れた。その目は赤く光り、鋭い牙を剥き出しにしていた。イシェは剣を抜く。
「ラーン、気をつけろ!何か変だ!」
影は狂ったように笑い声を上げながら、三人に襲いかかってきた。テルヘルは冷静に剣を構え、「準備はいいか?この遺跡は狂気に染まっているようだ」と呟いた。
ラーンの斧が空を切り裂き、イシェの剣が光る。三人は狂騒に満ちた戦いの中に飛び込んでいった。