ラーンが巨大な石扉を蹴り飛ばすと、埃っぽい空気が立ち込めて視界を遮った。イシェは咳き込みながら「また無茶をするな!こんな古い遺跡だぞ?何かが起きても文句は言えないだろう?」と怒りを滲ませた声で言った。
ラーンは鼻をほじりながら「大丈夫だって!この扉、なんか特殊な感じがしないか?開けてみないとわからないだろ」と笑った。だが、イシェの目はすでに扉の奥に注がれていた。扉の向こう側は広大な空間だった。中央には巨大な水晶体がそびえ立ち、その周りには奇妙な模様が刻まれた石柱が配置されていた。
「何だこれは…」イシェは呟きながら近づこうとしたその時、地面が激しく震えた。水晶体から青白い光が放たれ、空中に渦巻くように広がった。ラーンは剣を抜いて警戒し、イシェは小さく悲鳴を上げた。
その時、テルヘルが声を張り上げた。「それは…特殊な結界だ!触れたらどうなるかわからない!すぐに離れろ!」彼女の言葉にラーンとイシェは慌てて後ずさりした。水晶体から放たれる光はますます強くなり、空間全体を青く染めていった。
「これは一体…」ラーンの言葉が途切れたその時、水晶体は突然爆発し、青い光が彼らを包み込んだ。意識が遠のいていく中、イシェは最後の力を振り絞り、ラーンの手を掴んだ。そして、二人同時に深い闇に呑み込まれていった。